宮城奥松島の絶景!嵯峨渓探検、時々釣り(乙女の浜編)

波打ち際 東北の山
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宮城県の奥松島にある嵯峨渓は、岩手の猊鼻渓(げいびけい)、大分の耶馬渓(やばけい)とならび、日本三大渓と言われています。嵯峨渓は、遊覧船観光をしたことがあるか、釣りが趣味の方ならアイナメやソイの船釣りポイントとしてご存知ですよね。嵯峨渓の奥にある乙女の浜SNS映えするビーチなので、アウトドア系ブログの記事でたまに見かけます。私にとって乙女の浜は、震災前にマガレイの数釣りをした楽しい思い出の地なので、どちらかというとサーフ釣りポイントという認識です。震災復興が落ち着いて以降、乙女の浜でまたカレイ釣りしたいなぁと思っていました。

今回はそんな、宮城県民でもあまり行くことがない、知られざる?(知ってる人は知っている(笑))奥松島の絶景ポイントである嵯峨渓、そしてパワースポット乙女の浜への探検ルートを紹介します。

奥松島 大浜漁港

マイカーで仙台から波静かな松島湾の景観を眺めながら海岸線を石巻方面へ進み、松島を越えて野蒜海岸で右折して奥松島へ向かいます。途中、最近建てられたと思われるあおみなという道の駅のようなきれいな施設がありました。地域の特産品やお土産の売店、トイレなどがあり、奥松島の観光拠点になっているようです。

あおみな休憩所

あおみなは、地域おこしで整備された宮城オルレの奥松島コースのスタート地点にもなっているようです。

宮城オルレ
2018年に社団法人済州オルレの協力により整備されたトレッキングコース。オルレとは「狭い路地」をあらわす韓国済州(チェ・ジュ)島の方言。宮城では、東松島コース、気仙沼・唐桑コース、登米コース、大崎・鳴子温泉コースを整備した。

奥松島看板

奥松島をさらに奥へ奥へ車で進んでいくと、嵯峨渓の付け根にある大浜漁港に到着しました。ここは15年ぐらい前はアイナメ、ソイ、メバルなどの根魚がよく釣れた1級ポイントでしたが、最近はあまり釣れない印象です。たまにサーフや船道でマゴチカレイが釣れるようですが、数はめっきり減ったと思います。

大浜漁港

夏場は漁港に隣接するサーフが海水浴場になります。きれいですね。

大浜ビーチ

嵯峨渓遊歩道

大浜漁港~むろの木~大浜唐船番所跡

大浜漁港の広い駐車場にマイカーを停めると、トレッキング装備に加えて左手に釣竿右手に竿立用三脚を持ち、両手剣士のような怪しい出で立ちで嵯峨渓遊歩道の入口を探して少しウロウロ。熊が出てきたらこれで戦ってやるんだ!
ちなみに遊歩道入口は、え?ここが?という感じなので、予備知識がない方は見つけられないかも…。

そもそも「渓」って岩場を意味する地形という解釈でいいのかな。辞書をひくと「谷の意」とありますが、猊鼻渓、耶馬渓、嵯峨渓に共通するものは巨岩、奇岩、そして長い月日の経過に自然の力で浸食された荒々しい景観。つまり嵯峨渓について言えば、岩石が波の力で浸食され、まだ残っている岩場で形成されている岬ということ?私はそういう解釈をしました。(間違っていたら誰か教えてください)

写真の右側の、山の中へ入っていく道路が遊歩道入口です。それでは嵯峨渓探検に行ってみましょうか!

嵯峨渓遊歩道入口

はじめは広めの舗装路の登りです。

嵯峨渓遊歩道看板

最初だけ多少舗装されていて歩きやすいです。

嵯峨渓遊歩道登り

10分くらい歩くと、天然記念物の「むろの木」がありました。
太い幹、折れている?ずいぶん朽ちているように見えますが生きているようです。

嵯峨渓むろの木

また少し登ると看板がありました。道が分岐しているので、とりあえず観光スポットの「大浜唐船番所跡」を見学して行こうと思います。

嵯峨渓遊歩道看板分岐

「大浜唐船番所跡」への急な登り。少し息が上がりますが、新鮮な空気が大量に肺に取り込まれて、身体の隅々まで酸素が行きわたり始めます。エンジンかかって気持ち良くなってきたぞ~(にわか体育会系)

階段

あづまやが見えてきました。あそこが番所跡地かな?

あづまや

小高い尾根に出ました。海がよく見える。対岸は石巻、右手に牡鹿半島が見えます。

唐船番所

石碑には、唐船番所では仙台藩が中国からの船の往来を監視していた、という内容が記されています。たしかに天気が良ければ航行する船はほぼ丸見え。さしづめ仙台のお台場といったところでしょうか(違うか)。

石碑

石碑の近くに案内板が設置されていました。現在⑥の印の地点にいます。これから行こうとしている乙女の浜までの地形がよくわかります。

案内板

大浜唐船番所跡~源田浜

分岐地点まで戻り、嵯峨渓遊歩道を乙女の浜方面へ進みましょう。

乙女の浜看板

遊歩道から右手を見ると、眼下に大浜漁港の堤防が見えます。だいぶ登ってきましたね。

大浜方面見晴らし

遊歩道左手の眺望はこんな感じです。

石巻方面

しばらく歩くと源田浜への分岐に到着しました。以前、源田浜ではカレイ・アイナメ釣りをしたことがあるので、なつかしいのでちょっと道草して見ていこうと思い、源田浜へのアプローチの入口を見ると…

源田浜分岐

これがコース??
全然人が入っていないのでしょうか?木々が生い茂って道がふさがっています。妖怪か何か出てきそうな雰囲気。妖怪じゃなくても、マムシ、スズメバチ、ヒル、マダニあたりの攻撃はありそう…。

源田浜入口

敵からの攻撃に細心の注意を払いながら茂みをかき分けて入っていくとなんとか歩けそうなコースが現れました。あいかわらず上部は茂みが覆いかぶさっていて、森のトンネルになっています。ひと気がないので気味が悪いですが、まぁ私は山歩きは慣れているのでこのまま先へ行ってみましょうか。

源田浜アプローチ

うっそうとした木々に囲まれたあやしげな急坂をどんどん下っていくと突然目の前が開らけ、源田浜に出ました。最近の長雨でちょっと海が濁っていますがさすがに嵯峨渓、景色はきれいですね。セミの声と波の音だけが聞こえます。なんだか無人島に来たような気分…。

源田浜

源田浜~乙女の浜

源田浜を後にすると、再び尾根の遊歩道まで急坂を登り返して乙女の浜を目指します。ふくらはぎプルプル、もう汗だく。全身に肉体的負荷がかかると運動能力が冴えてくるのがわかり、とても気持ちがいい。山歩きの醍醐味ですな。

やまゆり

やまゆりが至る所に咲いていてきれいですね。

やまゆり大輪

あちこちに群生しているようです。

やまゆり群生

セミがいました。

せみ

遊歩道を進んでいくと崩れてロープが張られている箇所がありました。崩れた左側は断崖絶壁の海にまっさかさま。最近の大雨でこういう災害も多いのかもしれません。居眠りしながら歩いていると滑落しますので気を付けて進みましょう。

がけ崩れ

ひと気のない森の中をだいぶ歩きました。

森の小路

昔の記憶によれば、この下り階段が見えてくると乙女の浜は近いはず

階段下り

階段を下りきると平坦な入り江に出ました。草ボーボーだな。

乙女の浜アプローチ

海だ!

もうすぐ乙女の浜

乙女の浜

乙女の浜、とうちゃこ~

乙女の浜到着

や~、やっぱり乙女の浜はきれいでいいですね。きょうは海が濁っているのが残念だけど、青空だし風も波も穏やか。ここでコーヒーを沸かして飲みながらぼーっとするだけでも来る価値はありそう。乙女の浜は、忙しい日常生活を忘れ癒しを得ることができるパワースポットです。

まぁしかし、私は釣りキチなのでさっそく持ってきた竿を出します(まったくロマンチックではなく恐縮です)。エサはカレイ狙いでアオイソメ。保冷バッグに保冷剤と一緒に入れて山用ザックで背負ってきました。

乙女の浜釣り

びゅ~っと投げてぽちゃんと着水。ときどきサビキながらカレイのアタリを待ちます。

が、・・・釣れない。たまにフグはかかりますが、フグはいらない(笑)。今回かつてのようなカレイ数釣りは再現ならず。そんな予感はしていたんですけどね。海が濁っているし、潮もいいわけじゃないからしょうがないか。乙女の浜で竿を出せただけでとても気持ちがいい。満足です。

ふぐ

砂浜にきれいなアオスジアゲハが舞っていたので写真を撮ってみました。

アオスジアゲハ

小一時間、乙女の浜をひとり満喫。そうしているうちになんだか、私の好奇心がむくむくと膨らんできて、時間と体力に余裕があったこともあり、まだ行ったことのない萱野崎まで行ってみたくなってきました。萱野崎は写真の左手の岬先端です。

萱野崎の場所

どうです?行ってみたいでしょう??? アオイソメもまだ残っているし、もしかしたら竿を出せる素敵な磯に下りられそうな場所があるかもしれませんよね? 行ってみる価値はありそう。
こうしてモノ好きな私は、フグしかかからない乙女の浜での釣りを切り上げて、萱野崎への探検を開始したのでした。

とりあえず来た道を尾根まで登り返します。(乙女の浜周辺は手入れがされていないために草木がボーボーで、遊歩道へのアプローチが写真のような状態なので道を見失わないよう注意が必要です)

草ぼうぼう

階段を登り返して遊歩道の乙女の浜分岐まで戻ると、萱野崎へ進む道の目印を見つけました。

よし、じゃぁ行ってみましょうか!
(私はこの後大変な困難が待ち受けているとは知る由もなかった…)

萱野崎看板

「宮城奥松島の絶景!嵯峨渓探検、時々釣り(萱野崎編)」へつづく。

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