八甲田山の樹氷原でスキー満喫!酸ヶ湯温泉の混浴ヒバ千人風呂!

八甲田ロープウェイ景色 東北の山
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スキー好きな私は、これまでいろいろなスキー場を楽しんできましたが、八甲田スキー場だけはなんだか特別な印象です。

八甲田スキー場の魅力を考えてみると

①山スキーの聖地と呼ばれており、雪質、コースともに良質な環境が揃っている
②積雪量が国内屈指であり、美しい樹氷が織りなす絶景の中を滑ることができる
③ゴールデンウィークまでスキーが可能である
④酸ヶ湯温泉をはじめ近隣の温泉宿のお湯レベルが高い
⑤登山家・プロスキーヤー三浦雄一郎のホームである

というように、魅力あふれるポイントをいくつでもあげることができます。オマケで言えば、個人的には私の故郷に近く思い入れが強い、ということもあります。

今回のレポートでは、2017年3月に私が八甲田山でのスキーを満喫してきた様子をご紹介します。

八甲田ロープウェーで山頂へ

仙台からは東北自動車道を北上し、青森県の黒石インターチェンジを下りると国道394号線を東進して八甲田の核心部へ向かいます。

豪雪地帯ですから道中の除雪は完璧ですが、路面がつるつるになって滑る箇所があるので、雪道運転に慣れていない方は注意が必要です。ブナ林がうっそうと茂る雪道はちょっとした雪の回廊になっていて、日常世界から隔離されていく儀式のようです。

八甲田の雪道

八甲田ロープウェイ山麓駅に到着しました。無料駐車場に車を置いて駅の中に入ってみると、欧米系の海外からのスキーヤーがけっこういてびっくりします。バックカントリースキーの聖地とメディアでよく取り上げられるので、海外でも八甲田は有名なんでしょうね。

八甲田ロープウェイ

北八甲田山岳スキールート図! テンション上がる~!

八甲田山岳スキールートマップ

八甲田山系は八甲田大岳(1,584m)を盟主とした火山群の総称ですが、八甲田ロープウェイ山頂駅は北部八甲田山系に属する田茂萢岳(1,324m)にあります。その田茂萢岳をぐるりと一周している車両道路に向かって山頂から放射線状に7つのスキーコースがあります。しかし、ツアールートと呼ばれるコースは、雪庇、クレバスなど思いもよらない危険箇所が隠れているため、単独での入山は規制されています。私も山スキーは初心者ですしガイドも頼んでいないので、今回は簡単なコース(図の赤いルート)をソロで滑りたいと思います。

新田次郎の小説「八甲田山死の彷徨」は読みましたし、映画も観ました。映画紹介のパネルが飾られていて見入ってしまいました。

八甲田山映画パネル

さてロープウェイの出発時間が来たので乗り込みましょう。
おお~、すごくきれいな景色だな~

八甲田ロープウェイ景色2

標高が上がるにつれて樹氷に変化してきます。ロープウェイにはスキー装備ではない普通の防寒着の観光客も大勢乗っています。このロープウェイに搭乗するだけでも都会の人なら感動するでしょうね。

八甲田ロープウェイ景色3

だいぶ標高が上がってきました。

わー! 樹氷の間にスキーの滑った跡がある!
これはバックカントリー(コース外滑走)なのかしら?
新雪のこんなモフモフなところを気持ちよく滑りたい!

八甲田ロープウェイ景色4

八甲田ロープウェイ山頂駅にとうちゃこ!
設備に付着した雪や氷が、八甲田の環境の厳しさを物語ります。スイス製のゴンドラと記念撮影。

八甲田ロープウェイ山頂

スキー板はATOMICのST8です。ゲレンデ用カービングスキーですが、軽くて気楽に滑れるので長い間愛用しています。もう少し気合の入ったちゃんとした10万円台のデモスキー板(たとえばVolklのPLATINUM  SDとか(^^))が欲しいとも思いますが、大人が趣味で気楽に滑るには、ST8も多少バタバタしますが十分です。

外がガスって視界不良になっていたので、山頂駅の中のレストランで、とりあえず腹ごしらえしました。

八甲田ロープウェイ山頂食堂

絶景樹氷原 ダイレクトコースとフォレストコースを滑走!

食べ終わると、だいぶ視界が良くなったので外に出て歩いてみました。観光客がけっこういます。

八甲田ロープウェイ山頂外

わーすごい!樹氷が大きいな!
八甲田の樹氷の方が蔵王の樹氷より大きいですね。風がやみ、音も雪に吸収され、地球ではないような不思議な感覚に陥ります。

樹氷

晴れて展望が広がってきました。岩木山はまだ見えないけど、青森市街が見えそう…

八甲田ロープウェイ山頂展望

それでは、山の天気が変わらないうちに、いってみましょうか。ふたつのコースのうち、はじめはどちらに滑り降りようかな?

樹氷記念撮影

ではダイレクトコースで。

八甲田ダイレクトコース

すごい~、月面のような神秘的な光景。

樹氷原

うひょー、楽しー
巨大な樹氷の合間をぬって滑るって、こんな贅沢なスキーができるところを私は他に知らないですよ。蔵王はコース外に樹氷がありますから。しかし、一歩間違えば…

八甲田ダイレクトコース樹氷

調子こいて滑っていたら、案の定、樹氷のそばの深い雪のくぼみ(ツリーホール)に落ちたのでした。あぶないあぶない…八甲田でこうやって這い上がれなかったりコースを見失ったりして大変な目に合う人がときどきいますよね?

八甲田スキー場のような自然色の強いコースでは、以下に気をつけましょう。

①なるべくひとりで滑らない
②ツリーホールの特徴を理解し、木に近づきすぎない

いったん下まで滑り終えたらもう一度ロープウェイに乗って山頂へ行き、今度はフォレストコースに挑戦!

八甲田フォレストコース

こっちもスターウォーズのどこかの惑星のような景色だ…コースの目印になるオレンジのポールを見失わないように滑っていきましょう。

八甲田フォレストコース樹氷

八甲田スキー最高! 青森市街、陸奥湾、うっすらとアスパムの三角形も見えるようになりました。

八甲田フォレストコース展望

フォレストコースは序盤に急斜面を楽しんだ後、中盤から長い林間コースが続きます。この日は雪が重かったこともあり、下までおりてきたら膝がガクガク、モモがパンパン。途中、スノーボーダーが平らなところで立ち往生していました。フォレストコースはスノーボーダーには向いていないのでは?

しかし、たったの2本滑っただけで、私はもう足が…おそるべし八甲田スキー場‼ 早朝の長距離運転の疲れもでてきたので、そろそろ温泉に向かいますか。

ちなみに八甲田スキー場は晴天率が悪いことでも知られています。3月になると晴れる日も多くなるのですが、12月~2月は月に晴れるのが数日あるかないか、という感じなはずです。もし出かけるときは、事前に天候をチェックしましょう。すぐロープウェイが運行になってしまうので…

運休

冬の酸ヶ湯温泉

八甲田スキー場から車で10分もかからないところに、かの有名な青森県が全国に誇る酸ヶ湯温泉があります。

300年以上の歴史があり、昭和29年に政府から国民保養温泉地第1号の指定を受けた名湯です。しかも今回は冬の酸ヶ湯温泉、日本屈指の豪雪地帯で最深積雪566㎝(2013年2月26日)を記録しています。

酸ヶ湯温泉駐車場

なじみの酸ヶ湯温泉、とうちゃこ。

酸ヶ湯温泉

さっそく混浴ヒバ千人風呂へ。撮影禁止ですので写真はナシ。温泉は実際に現地で味わってくださいね。

泉質は酸性硫黄泉(含む石膏、酸性硫化水素泉)。熱遊は湯船の下から直接温泉が湧出しています。濃い温泉成分がスキーでつかれた筋肉にしみわたります。名前の由来のとおり酸っぱい味と匂いの刺激も強く、ツリーホールに落ちたときにできた擦り傷が飛び上がるほど染みるっ(^^;

酸ヶ湯温泉提灯

夕食は大広間で。

酸ヶ湯温泉夕食

素朴で美味しいものばかりです。

酸ヶ湯温泉日本酒

夕食を終えるとロビーで三味線の演奏会が開かれました。私は三味線は、津軽平野の厳しい冬の吹雪が思い浮かぶような派手で攻撃的な曲目が好きですね。演者の方は、八甲田の自然が好きでスキーガイドをしながら三味線を覚えたとのこと、すばらしい演奏でした。

酸ヶ湯温泉三味線

もう一度温泉に入り、久しぶりの青森の夜にひたりながら疲れて爆睡しました。朝起きると、まずます雪が積もっていました。さすが酸ヶ湯、いい感じ。

酸ヶ湯温泉朝の雪景色

酸ヶ湯温泉には登山家、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が海外の高峰に登った後などによく静養に来ることで知られています。そのお父さん、三浦敬三氏の功績をたたえるパネル展が廊下に常設されていました。

三浦先生パネル展

広大で迷路のような酸ヶ湯温泉の中をぶらぶら見学して、三浦氏や著名人が宿泊する「しころの間」をみつけました。

しころの間

酸ヶ湯温泉は冬も夏もいつ来ても最高ですね。八甲田でスキーして酸ヶ湯温泉に宿泊なんて、とんでもなく心身に贅沢な旅でした! 最近リニューアルできれいになった湯治棟に宿泊すればひとり12,000円(税抜)なので都会のホテルに比べて値段もそんなに高くないし、湯治プランならもっと安く宿泊する方法もあります。また行かなければ!

おまけ 温湯(ぬるゆ)温泉 鶴の名湯

帰りは、黒石温湯温泉鶴の名湯へ立ち寄りました。この地域では抜群な知名度のある銭湯ということで昔から気になっていました。温湯温泉は400年以上前に開湯し、近くには木造の歴史を感じさせる旅籠が何件か現存しています。

鶴の名湯

泉質はナトリウム-塩化物泉ー硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉)の源泉かけ流し。入浴料250円という共同浴場で地元の方で賑わっています。あつ~いお湯が身体にじりじりと効いてくる感じで、たしかに田舎で人気が出そうな温泉です。朝4時から営業しているというのがポイントで「青森の仕事に行く前に熱い温泉に入る」という温泉文化そのままです。酸ヶ湯温泉からの帰りに東北自動車道に乗る前の、旅の仕上げのお湯としていいかもしれません。

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