試練と憧れの剱岳登山!(1/3) 初日は剣山荘へ

剣岳 北アルプス
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2017年7月の夏休み、私はついに剱岳へ挑戦する機会を得ました!
私の中で山登り趣味の集大成としてのソロでの剱岳挑戦、果たして登りきることができるのでしょうか?
その悪戦苦闘の様子をレポートしたいと思います!

これまで挑戦した高峰一覧は以下の通りです。

西暦 山名と本邦標高順位 ブログ記事
2012年 富士山  (1位3,776m) 富士山登山!(前編)山頂でご来光を拝めました!
2013年 奥穂高岳 (3位3,190m) 奥穂高岳&涸沢カール!初めての北アルプス登山3,000m級挑戦 (1/3)
2014年 北岳   (2位3,193m) 南アルプス北岳登山!(前編)ダイナミックな稜線歩き
2015年 槍ヶ岳  (5位3,180m) 槍ヶ岳登山で岩稜登攀に挑戦!(前編)槍へつづく道
2016年 北穂高岳 (9位3,106m) 第1回山の日は北穂高岳登山!(前編)絶景の岩稜登攀!
2017年 剱岳    (22位2,999m) 今回の挑戦
剱岳・・・北アルプス立山連峰に位置する標高2999mの急峻な岩場と残雪が魅力の巨大な山塊で「岩と雪の殿堂」と呼ばれる。日本国内で一般登山者が登る山のうちで最も危険度の高い山であり、登山ルートは鎖場やハシゴが連続し、難所のカニのタテバイカニのヨコバイが有名。北東斜面には日本で現存する数少ない氷河を有する。南東には日本三大雪渓のひとつである剱沢雪渓がある。

なぜ剱岳に登りたくなったのか?

2012年に富士山に登って以来、本格的な山岳リゾートや高峰のピークハントに魅力を感じるようになり、まずは、涸沢カールに行ってみよう、富士山の次は標高の2、3番目を登ってみよう、というところからはじまりました。

剱岳に登ってみたい、と本気で思うようになったのは、槍ヶ岳に登った頃からでしょうか。槍ヶ岳と剱岳はやっぱり山登りをしている方なら誰しも一度は登ってみたい気持ちになると思います。

浅野忠信、香川照之、仲村トオル、宮崎あおい、役所広司といったそうそうたるメンバーで作成された新田次郎原作の映画「劔岳 点の記」は私の好きな映画のひとつです。映画では、日本地図最後の空白地帯である剱岳への測量登頂が厳しい自然の中で困難を極める様子と、日本山岳会と陸軍測量部との剱岳への初登頂争いが描かれています。そして1907年陸軍測量部登山隊が初登頂(と思っていた)を果たした際に山頂でみつかった修験者のものと思われる奈良時代末期の錫杖と焚火の痕跡…剱岳は、映画になるほどのロマンあふれる魅力的な山といえます。

また、北アルプス岩稜ルート・グレーディング表でも一般登山ルート最高難度の「10E」を誇る危険な山でもあります。私のような趣味の登山者にはその危険度からハードルが高く、なかなか本気で登ろうという決心がつかずにいました。

そうした中、2015年槍ヶ岳「8C」登頂の翌年に、槍ヶ岳より技術的難易度が高い岩稜コースである北穂高岳「7D」に無難に登ることができて自信がつき、次は剱岳に行こう!、剱岳をやるなら精神力も体力も充実している今しかない!、今やれなければ今後もやれない!、という妙な理屈が自分の中で完成し、気持ちが固まったのでした。

振り返ってみると、ちょうど仕事が大変で、なかなか晴れない鬱憤が鉛のように身体に蓄積し、仕事以外の何かでその鉛を昇華させなければならない追い詰められた時期であったことも理由のひとつにあると思います。

◎ 山のグレーディング・・・長野県が2014年に発表した、体力度と技術的難易度の2項目での評価

<体力度> 1~10の10段階で数字が大きくなるほど体力が必要
ちなみに「7」は1~2泊以上、「8」は2~3泊以上が適当という評価

<技術的難易度> A~Eの5段階でEに近づくほど難易度が高い
「E」は、緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降が続き、転落・滑落の危険個所が連続する。登山者によってはロープを使わないと危険な個所あり、の評価。

富山観光

2017年7月、いつもの遠征同様に早朝まだ暗いうちにマイカーで仙台を出発し、きれいな日本海を眺めながら北陸自動車道を南下、富山県に入ったのは午後になっていました。きょうは移動日で富山駅前のアパホテルで寝るだけですから時間に余裕があります。

有磯海サービスエリアでちょっと休憩と作戦タイム。売店には富山のお土産がならび旅行気分が高まります。

有磯海SA

当地の魚介類が見てみたくなり、射水市の「新湊きっときと市場」までちょっと足を延ばしてみました。

ふむふむ、富山はベニズワイガニ、ホタルイカ… そして一番は白エビですな、富山湾の宝石と呼ばれている? しかも4月~7月が旬? これはどこかで食べてみなければなりませんね。

新湊きっときと市場

「新湊きっときと市場」のほとんどのお店が16時00分の閉店時間になってしまったので、近くにある海王丸パークという公園をぶらぶら散歩してみました。

海王丸パーク

なかなか素晴らしい公園ですね! 海王丸や新湊大橋がかっこいいです! 資料館でも帆船海王丸について勉強することができました。この公園は、海王丸が2月14日に進水したことにちなんで「恋人の聖地」とされているようで、カップルがけっこういましたね。私はいつもながらソロ山行ですけど(^^;

富山駅前でホテルにチェックインした後、駅ビルで白エビ亭というおいしそうな食堂に入ってみました。
まずは「きときとセット」を注文。サクサクの白エビ天ぷらとホタルイカのたまり漬けを肴に!
見た目もいいし、当然、美味しい

富山名物白エビ&ホタルイカ

この後「白エビ刺身丼」を追加注文。すべて手剥きの白エビが90匹使われ、ごはんは富山産こしひかり、とのこと。エビは機会剥きだと加工過程の水で本来の甘味や食感が損なわれてしまうため、当店ではすべて手剥きにしたそうです。特性醤油ダレを少したらして食べます。白エビの甘味とねっとりした食感でごはんがすすみます。美味しい!

白エビ丼

まぁまぁいい値段しますが観光客相手だからでしょうか? ご当地グルメを満喫して全部で3,500円ぐらいなら満足ですがね。また富山に来たら食べると思います。

いざ、試練と憧れの剱岳へ! 初日のお宿 剱山荘へ

翌朝早く富山駅前のホテルをチェックアウトすると、マイカーで立山駅に移動しました。立山駅までは1時間くらい。立山駅前は広い駐車場になっていて、車中泊をしている登山客もチラホラ。マイカーを駐車場に停めると、立山ケーブルカーの始発に乗り込みます。

劔岳への登山口である室堂ターミナル向かって、いわゆる立山黒部アルペンルートを西側から出発です。

立山駅

立山ケーブルカーで10分弱、美女平で立山高原バスに乗り換え、1時間弱で室堂ターミナルに到着しました。日本最高所の2,450mにある駅「室堂ターミナル」はとても立派です。売店、レストラン、展望台、ホテル立山が隣接し、一大山岳リゾートになっています。

立山駅構内

ここから剱岳に向けて山登り開始です。
初日の予定は、室堂平から別山乗越を経て剱岳登山のベースである剣山荘まで約4時間の行程です。室堂ターミナルから一歩外に出てみると、天気が想定よりも良くないので心配になりましたが、天気図からは行けるはずと判断していたので続行しました。

立山

室堂平一帯は観光地として遊歩道などがきれいに整備されているので歩きやすいです。本当なら立山連峰が室堂平をぐるりと囲む絶景が見られるはずが、ガスって何も見えない…

日本最古の山小屋とされる立山室堂を見学しました。現在の建物は1726年に再築されたものだといわれ、古くからの立山信仰を今に伝える建造物として、国の重要文化財に指定されています。

立山室堂

立山室堂から30分ぐらい歩くと、眼下に雷鳥平キャンプ場が見えてきました。登山ルートは一旦あそこまで標高差90mを下って、その後、壁のように広がっている山を向こう側へ乗り越えます。山の上部がガスっていて見えないのが不安をあおります。

雷鳥平

キャンプ場を過ぎて浄土沢を渡ると、いよいよ標高差500mの登り「雷鳥坂」です。ハイマツ帯のつづら折りが続く急登をひたすらいきます。ガスって視界が悪く、目印もあまりない初めてのルートをソロで進んでいるわけで、道を間違えてやしないかと常に不安にかられますが、まれにすれ違う下山者と出会いホッとします。

ソロで下山中のハイパー体育会系のお姉さんからすれ違いざまに「こんにちわー、ガンバですー」と笑顔をいただき元気が出ました。しかし下山者が皆レインウェア装備で、びしょ濡れなのが気になる…(^^;

別山乗越

きつい登りにだいぶ飽きてきた頃に別山乗越(尾根)に出ました。ガイド本によれば本来ならここで大きな剱岳の姿が見えてくるはずですが、ガスって10m先も見えない状況。天気がこれ以上悪くならないうちに先を急ぎます。

せめて天気が良ければなぁ…なんて思いながら進んでいくと、おっと雷鳥君の登場! 天気が悪いときは警戒心の強い雷鳥を見れるチャンスが逆に増えるということもあるかもしれませんね。

ライチョウ

つがいですね、もりもり太ってデカくてかわいい。

雷鳥つがい

剱沢に入ると雪面も広くなり、ガスっててもはや真っ白。天気の悪い見知らぬ山奥でソロは心細い…

剱岳の剱沢雪渓ガス

出ました、剱沢雪渓! 視界がないので奈落の底まで雪の斜面が続いているように見えます。4人パーティが向こうから雪渓を渡ってくるのが見えました。ぎょえ~、あの細い溝がルートなの?

剱沢雪渓

幸い、私の雪渓通過時刻は午後で気温が高くなっていたため、足元はジャリジャリの腐った雪になっており、歩きやすくはないですが比較的滑りにくい状態でした。雪が固く凍り付いている時間帯のスリップは恐怖でしょうね。奈落の底を見ないようにして恐る恐る500m以上に渡る剱沢雪渓を横切ると、ほどなく本日のお宿剣山荘に到着。

剣山荘

危機一髪、宿にチェックインした途端に外はどしゃ降りに変わりました。
予報では明日は晴れ。ゆっくり休んで体力を回復させなきゃ。

試練と憧れの剱岳登山!(2/3) 別山尾根へ挑戦 へつづく

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