山に登る方なら誰しもが一度は登りたいと思うのが槍ヶ岳です!
でも、天高くそびえるまさに槍の穂先の風貌と圧倒的な存在感に、体力ないから無理だな、けっこう技術が必要なんじゃないの? なんて尻込みしてしまう山でもあります。私もいつかは登りたいなと漠然とした気持ちはありましたが、自分にその力があるのかよく分からないというのが正直なところでした。
2015年7月の夏休みにふと心に火がついて、槍ヶ岳挑戦の機会に恵まれましたので、その様子をレポートします!
松本市内~上高地~槍沢ロッヂ
実は昨年の北岳挑戦に続き、今回もソロなんです。山友達がいないわけでもありませんが、仕事の休みを合わせるのって難しいですよね。しかも難易度の高い山となれば、自分以外の命を保障できるわけでもないので、誘うのも覚悟がいります。必然的に行動の自由が利いて、命に責任が持てて、気楽なソロになります。
今回は、上高地を登山出発地とする槍ヶ岳登山の中では一番やさしい槍沢ルートを選択しました。
槍沢ルートは、北アルプス岩稜ルート・グレーディング表では「8C」。一昨年の奥穂高岳(涸沢往復)が「7C」だから、今回の方がより体力を必要とする評価です。
山のグレーディング・・・長野県が2014年に発表した、体力度と技術的難易度の2項目での評価
<体力度> 1~10の10段階で数字が大きくなるほど体力が必要
ちなみに「7」は1~2泊以上、「8」は2~3泊以上が適当という評価
<技術的難易度> A~Eの5段階でEに近づくほど難易度が高い
「C」は「ハシゴ・鎖・雪渓、徒渉があり、ミスは転落・滑落などにつながる場所があるほか、案内標識が不十分な場所がある」という評価
上高地には翌早朝から入れるように、初日は仙台から松本市内へマイカーで移動して1泊することにしました。
松本駅前をぶらぶら散歩して、本場の石井スポーツに立ち寄ります。
いかにも山男ですといった感じのいかつい店員さんに、「はじめての槍ヶ岳なんです」と話しかけると、「あ~、大丈夫ですよ~」と軽い答えが返ってきました。お話を聞くと、槍沢ルートなら基本的なことをしっかり守れば、登頂はそんなに難しくはないとのこと。ほんとかなぁ~と思いつつも多少励まされ、駅前で信州そばを食して早めに就寝しました。
翌早朝、マイカーを沢渡駐車場に置いてバスで上高地入り。一昨年の涸沢に行ったときに一度経験している手順なので、このあたりはスムーズにいきました。
天気が良く、河童橋と穂高連峰は相変わらずの絶景!
外国のような見事な景色にやる気がみなぎってきます!
ようし、飛ばすぞー!
きょうは横尾をすぎた槍沢ロッジで1泊する予定です。まずは安全な時間に槍沢ロッジに到着できるよう気張っていきましょう!
なつかしの2年ぶりの明神池にあっという間に到着。
徳澤、横尾にも気分的にはすぐ着きました。私も多少は山慣れしてきたのかな?
ここで小休止。おやつタイム。看板を見ると、横尾は上高地へも槍ヶ岳へも11㎞で、中間地点のようです。
横尾は穂高(涸沢)と槍ヶ岳の分岐点になっています。2年前は穂高に向かって横尾大橋を渡って進みましたが、今回の槍ヶ岳方面は橋を渡らずに直進する私にはお初のルートです。宿泊予定の槍沢ロッヂまでは、横尾から2時間弱の登りを想定しています。
遭対協掲示板の注意喚起によるとけっこうな件数が発生していました。緩んでいた気を引き締めて先に進むことにします。
横尾を過ぎると、樹林帯の本格的な登山道になりました。めっきり登山者も減り、というか、私一人しかいないじゃないですか!ちょっと心細いですね。クマとか嫌ですよ~
沢沿いに進み、一ノ俣谷を越えて小休止。
簡易な橋を横切ると、谷は深まり、登山道は次第に細く傾斜も増していきます。まぁまぁきつめの登りが続きます。あ~なんだか疲れたなぁ、と思った頃に突然、槍沢ロッジの看板が現れました。
ふぅ、とりあえず着いた~
がらがらに空いてます。7月は時期的にまだ早いのかな?
山奥とは思えないほど清潔で快適ですね。こんな場所にどうやって建設したんだろう??
遅めの昼ごはんを食べようと、売店で購入して外のテーブルに向かいました。
う、うま~
こんなに美味しいどん兵衛はなかなかないです。身体が塩分を欲していたーー
きょうはここで一泊です。
槍沢ロッジは沢が近くを流れていて水が豊富なため、風呂に入ることができるんです!高所で風呂に入ることができる山小屋って限られているから、とてもありがたいです。貸し切りで風呂に入った後、庭に出たり、図書室で本を読んだり、日が暮れていく静かな山の時間を夜まで堪能し、沢を流れる水の音が子守唄のような心地よさで、眠りにつきました。
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