青森県でランプの宿といえば青荷温泉です。青荷温泉は「電気がない」をウリにした山奥の一軒宿ですが、「大自然の中で温泉に浸かるしかやることがない」という贅沢の極みを味わえます。
私が2013年6月中旬にB級グルメで少しだけ?有名な黒石つゆ焼きそばを食べながら青荷温泉へ宿泊してきた様子をレポートします。
B級グルメ 黒石つゆ焼きそば すずのや
仙台から東北自動車道を北上すること約4時間、黒石インターチェンジを下りて黒石市内に入りました。
とりあえず弘南鉄道を観たいということで黒石駅へ。弘南鉄道は、黒石と弘前を結ぶローカル線で、岩木山とリンゴ畑をバックに走る電車の勇姿や、雪深い津軽平野を走るラッセル車など田舎鉄道ならではの味わいがあり、全国から熱心な撮り鉄が訪れるマニアな路線です。青森にいた頃は生活路線なので特に何も感じませんでしたが、青森を離れてから、なんだかその味わい深さに気づいた感じがします。ちなみに弘南鉄道のマスコットキャラクターはラッセル君ですので興味のある方は公式ホームページへどうぞ。田舎館の田んぼアートも全国的に話題になりましたかね。駅名を「田んぼアート駅」にしてしまうあたりが意気込みが伝わってきてよろしい!(笑)
黒石市内には日本の道百選にもなっている「こみせ(小見世)通り」という藩政時代からの古い町並みが残っています。重要文化財の建物が残っていたり、ぶらぶら散歩するととても歴史を感じます。津軽三味線が聞こえてきそうです。そんな街中で、B級グルメ黒石つゆ焼きそばのお店すずのやさんに入りました。
お?ぴったんこカンカンの取材で安住さんと北川さんが来てるじゃない?良かったですねぇ!
すずのやさんのつゆ焼きそばは「昔ながらの」といった感じです。ソース味のうどんって言ったら話が早いかもしれませんが、これもまぁ美味しいかと言われると、まずくはないですが地元の人はあえてそんなに食べないでしょ、観光客がほとんどじゃないかな? B級グルメとして売り出して多少お客さんを呼べるようになったみたいですから、サービスを良くして味以外にも工夫して地域を盛り上げていってほしいです。
さて、黒石市内から国道102号線を東進し、青荷温泉へ向かいますが、途中、黒石温泉郷を素通りします。実はここにも良い温泉がありまして、一応掲載しておくと、温湯温泉共同浴場「鶴の名湯」が地元民にも観光客にも愛され、この界隈で断トツの人気を誇りますので温泉マニアなら立ち寄ってみて損はないと思います。
ランプの宿 青荷温泉
国道102号線から青荷温泉行きの山道に入るといよいよ山奥に(笑)
十和田湖の北西に広がる広大な原生林の中に青荷温泉が見えてきました。
いや~着いた着いた、仙台からはさすがに距離があり、運転疲れました。
青荷温泉は一軒宿という認識でしたが、敷地は思いのほか広くて建物もなかなか大きいですね。
玄関の雰囲気が良い感じ。
ランプの宿を謳っているいるだけあって、本格的なオイルランタンがたくさんぶらさがっています。
敷地内はずいぶんと作り込まれています。自然とうまく融合させていて、渓流にかかる橋の風景もとても美しい。
たしかTV番組「湯の町放浪記」で清水国明さんが竿をふっていた場所。釣れなかったけど。
でわでわ、運転疲れを癒すべく温泉いただきましょうか。
この建物にある滝見の湯は写真が撮れませんでしたが、きれいで落ち着く内湯でした。
本館内湯。当時ブログに掲載することになろうとは全く考えず撮影していたので写真が映えないですが、この本館内湯はなかなか風情があって私は好きですよ。ヒバの香りがすごくします。山のやさしい風が窓から入ってきて気持ちがいい。もう少しお湯の投入量を多くするといいのですが。
次に、迫力ある大露天風呂。岩風呂は開放感があってとてもGOOD!
お湯の投入量が多く温泉が活きていました。ここは混浴です。貸し切りだぜい!
樽風呂に長湯してしまう・・・
次に駐車場側にある大きな建物、健六の湯。
これもまた素敵なヒバのお風呂。
青荷温泉の泉質は単純泉。無色透明、無味無臭、熱めでやわらかくさっぱりしていて、風呂上りが爽快なタイプの温泉です。秘湯には白い濁り湯を求めてしまう方は物足りないかもしれませんが、これはこれでいいと思いますよ。長距離運転の疲れがみるみる抜けていく感じがしました。津軽気質の人が作成した感満載の公式ホームページには「落としてきた恋の傷を癒し、冷めた夫婦を温める効能があります」とありますので拾って載せておきますか(笑)
日が暮れるにつれ、ランプに火が入り、雰囲気がより良くなっていくのがこの温泉宿の特徴です。
夕食は素朴な山の料理を大広間で食べます。はじめは部屋がとても暗く感じますが、次第にランプの灯りに目が慣れてきますので(笑)
さいごに
都会の人は、このものすごい山奥で電気も電波もなくランプの灯りと温泉しかない状況に、どういう気持ちを覚えるのか、退屈だと思うのか、情報からの遮断に焦るのか、仕事の連絡が不能であることに危機感を感じるのか、はたまた人間らしい贅沢さを感じるのか、興味深いところです。
青荷温泉では「食う、寝る、温泉」「暗くなったら寝る、日の光で起床する」という動物的なセンスが研ぎ澄まされて現代から遠ざかっていきますので、カラダがそういうものを求めめているときには訪問したい宿です。
コメント