第2回は、槍ヶ岳に向かって槍沢ロッヂを出発するところから始まります!
いざ!槍の穂先へ
朝起きると支度を整えて朝6時に槍沢ロッヂを出発しました。
やっぱり槍沢ロッジで1泊入れると、行程に余裕ができて精神的にだいぶ楽ですね。
きょうは槍ヶ岳の穂先を必ず落とすぞー!
そして槍ヶ岳山荘でビール飲んでまったりするんだー!
夜に、北海道から来たという同部屋のおじさん二人組と仲良くなりましたが、天狗原から南岳を目指すとのことで私より早く出発していました。
槍沢を登っていくと雪渓が見えてきました。
あーいたいた、お二人が前方に見えます! 人の気配があると心強い。
所々、右の土手の樹林がコースになっていて、お花畑がきれいでした。
なんだか上の方はガスってますね。
クレバス怖いです~
雪渓の割れ目の下は空洞になっていて、雪解け水がごうごうと音を立てて流れています。こういうのがところどころにあるんですが、もし滑って穴に落ちたら命が危ういです。
傾斜がきつい沢沿いのザレた道を登ると、おじさん二人組は見えなくなりました。
天狗原分岐を越え、ジグザグな登山道を進むと傾斜が緩み、ついに槍の穂先が顔を出します!
ここからがけっこう長い。だらだらと長いガレ場が体力を奪っていきます。
せっかくだから東鎌尾根も見学しようと、殺生ヒュッテを経由して尾根に登りました。
おおー思ったより怖い!
はじめてのコースは、どこに危険が潜んでいるかわからないので怖いです。
岩の陰から北斜面に首を出してのぞくと…
何百mも切れ落ちている断崖絶壁がえんえんと東方向に続いています。
この東鎌尾根こそ、有名な表銀座縦走コースですね。
ガスで視界も悪く、強風であおられて北斜面に落ちないよう、細い東鎌尾根のできるだけ南側を歩いてそそくさと槍を目指します。
槍ヶ岳山荘が左手前方に見えてきました!
振り返るとさきほど通過した殺生ヒュッテが小さく見えます。ここはもう雲と同じ高さですわ。
そしてついに、というか、やっとこさ、槍ヶ岳山荘へたどり着きました!
標高3,080m地点にあり登山者が一度は宿泊してみたい人気の山小屋です。
7月はやっぱりまだ時期的に早いのかな? かなり空いています。
小屋の目の前にはドカーンと槍の穂先が‼ものすごい迫力! 圧倒的存在感!
ファンタジー映画に出てくる魔王が棲む山みたい。
槍ヶ岳山荘の宿泊受付をすませ、部屋に荷物を預けたらとりあえず腹ごしらえ。カレーライスにペプシコーラ!でエネルギー充填。
よし、準備完了! それじゃ、山頂アタックしてみますか!
ハイシーズンの穂先は渋滞するほど混み合うと聞いてきましたが、この日はほぼ貸し切り。ゆっくり時間をかけて登れるチャンスですね。不安定な岩場を慎重に登っていきます。
風が強くて目の前を雲がすごい勢いで流れていきます。
次第に傾斜が急になり、四つん這いでクサリにつかまりながら登ったり、ボルダリングのような難所を切り抜けながら進むと、最後の難関、垂直に続くハシゴ祭り!
これがかなりの高度感で怖い(^^;
命綱がないのでミスは命取り、三点支持を守りながら一手一足確実に登ります。1番目のハシゴは24段、2番目は短く数段、3番目は17段あり、最後の4番目は31段で10m近い長さがあり、体感斜度は垂直です。
ときおり強風にあおられてゾッとします… 高所恐怖症の方はキツイでしょうね。
槍ヶ岳山荘から標高をぴったり100mあげると、とうとう憧れの山頂に到着!
360度の大展望に感動! すごい!すごい!
稜線の槍ヶ岳山荘もかっこいいですね!
しかし、びゅーびゅー強風が怖くて私は立っていられない…
天を刺す槍の穂先だけあって山頂は狭く、風にあおられると落ちやしないかヒヤヒヤなのです。先に山頂に到達したたずんでいた若いイケメンお兄さんと記念写真の撮り合いっこもしゃがんでポーズ。
槍ヶ岳山荘に戻ると、勝利の達成感をかみしめ、暮れていく時間をゆっくりと味わいました。
槍ヶ岳からのご来光
翌朝、日の出が見たくて早起きしました。
アルプス一万尺♪ 小槍のうえで♬ アルペン踊りをさぁ踊りましょ (^^♪ の、「小槍」が山頂左下にくっきり見えますね。
あそこで踊るのは至難の業だな、などと想いをめぐらせていると…
おー、出てきた出てきた、かっこいい日の出!
日が昇ったら少し散歩。風もなく、気持ちのいい晴れた朝です。
きのう山頂で写真撮り合いっこした若いイケメンお兄さんはテント泊の猛者だったみたい。
あれは昨年9月に噴火して大惨事となった御嶽山の噴煙では?
朝食もおいしかったです。同部屋の若者が高山病でまったく食べられずに顔が真っ青で山小屋の方に介抱されていました。関西から夜行バスで来てきのう寝不足のまま槍ヶ岳山荘まで一気に上がってきた、との話でしたので、そりゃちょっと身体に無理しているよね、と注意を受けていました。
私も登頂にうかれて忘れていましたが、そういうリスクにも注意が必要です。もしかしたら私は槍沢ロッヂに1泊しているので結果的に高度順応していたのかもしれません。
下山を開始して、少し下って振り返ると槍ヶ岳が青空に映えてくっきり見えます。きのうの槍ヶ岳に比べると優しい表情をしています。山が私を受け入れてくれたのかな、と思い、無事に感謝しました。
下山はハイスピードです。2日かけて登ってきたところを一気に下っていきます。
途中、徳澤園の名物ソフトクリームで休憩。
私の中で下山時にソフトクリームを食すのが定番になってきました。
<きょうの温泉> 沢渡温泉 梓湖畔の湯
下山してマイカーに登山道具を置いた後、駐車場の隣にあった日帰り入浴施設、梓湖畔の湯に立ち寄りました! 早く温泉に入りたくてたまりませんでした。
熱めの単純温泉がかけ流され、さっぱりしていて良かったです。露天風呂からの眺めもいいですね。
湯上りに畳の休憩大広間で炭酸一気飲みして出来上がり‼
かくして、私の槍ヶ岳への初挑戦は無事成功しました!思いのほか苦労せずに登ってこれたというのが印象です。体力、三点支持、体調管理ができれば、アルプス入門者でも十分可能なルートだと思います。
最後に貴重な経験ができたことに感謝してレポートを終了します。ありがとうございました。
おわり
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