秘境・泥湯温泉は、宮城県と秋田県の県境、秋田県湯沢市に位置します。開湯は1,200年前と言われ、江戸地代には湯治場として栄えたそうです。栗駒国定公園内にあり、付近には小安峡温泉、秋ノ宮温泉、湯の倉温泉、大湯温泉温湯温泉、須川温泉と多数の温泉が湧きだしていて、温泉マニアには人気のある地域ですが、その中でも泥湯温泉は交通アクセスの悪さから訪問しづらく、独特の雰囲気を持った温泉地という印象を私は持っています。
日本三大霊地 川原毛地獄
泥湯温泉へは、仙台からマイカーで出発すると鳴子温泉から鬼首方面に国道108号線を北上します。この時点で川渡、東鳴子、鳴子、轟、吹上、鬼首と、多数の魅力的な温泉地をスルーしなければならないため、泥湯温泉に行くんだ!という決め打ちをしなければなかなか訪問が実現しない場所でもあります。温泉マニアにとっては、これも交通アクセスの悪さのひとつと言えます(笑)
県道310号線に入るとクネクネ山間部の道路をひた走ります。この道路は冬季は通行止めとなることから、泥湯温泉も冬季間は閉鎖になります。これも交通アクセスの悪さ…
しばらく進むと左手に富山県の立山、青森県の恐山、とともに日本三大霊地とされる川原毛地獄が見えてきます。ここから泥湯温泉までは車で5分程度ですが、温泉前にちょっと道草してみましょう。
地獄内は遊歩道を散策できます。
周囲一帯に硫化水素臭が立ち込め、草木のない荒涼とした景観が広がっています。
何十万年前の火山の爆裂火口であるとのことですが、現在も活発な活動が続いていて、この恩恵として泥湯などの温泉資源を享受できます。かつては硫黄の採取場でもあったそうです。
天然野湯 川原毛温泉・川原毛大湯滝
地獄内を散策して車を駐車したところから20分程度反対側へ歩き抜けると、川原毛大湯滝駐車場があり、そこから山道を15分程度歩くと、大きな滝があります。これが温泉マニアで有名な、滝そのものが温泉という川原毛温泉・川原毛大湯滝です。
ゴウゴウと豪快に約20mほど流れ落ちています。
これすべて温泉! びっくりですよね‼ 滝つぼが天然の湯船です。
近くまで行くと酸性泉が霧のように舞っていて目に染みる~
適温期は7~9月ということで残念ながら入浴できる状態ではありませんでした。次回は良い季節に来てみたいと思います。ちなみに入浴料無料、水着着用必須、ごつごつした岩場を歩けるようなビーチサンダル持参、自己責任の野天風呂です。
秘境泥湯温泉 奥山旅館
川原毛地獄を車で出ると、すぐに泥湯温泉に到着しました。現在は奥山旅館と小椋旅館の計2件のみ営業している深い山に囲まれた小さな集落です。
道路沿いにも泥噴気をあげている場所があり、湯けむりと硫化水素臭が立ち込めています。
いやーすごいですね、大地が生きています! 温泉マニアとしてはテンションがあがります!
しかし、一方では至る所に「危険ですので立ち止まらないでください」との注意書きがあり、かつては大変な事態も発生したことがある猛毒な火山性ガスですので吸い込まないようにしなければ‼
ぶらぶら散策したあと、泥湯温泉奥山旅館に日帰り入浴してみました。
お目当ての大露天風呂! 期待を裏切らない良質な温泉です!
山の景色と白濁した硫黄泉の組み合わせがいいんですよ。乳頭温泉鶴の湯が人気上位ならここも相応の人気になりそうですが、メディアにあまり出てこないのも交通アクセスの悪さ…?
内湯も落ち着いていていい感じ。
離れの露天風呂は泉質がだいぶ異なりますね、貸し切り状態だったこともあって、山のそよ風が気持ちよくて、私はここが一番気持ち良かったです。
ただしお湯が熱い!熱すぎるぅ
不覚にも水で薄めながらの入浴となり源泉が薄まってしまいましたが、気持ち良さにはかわりなし。
交通アクセスの悪さばかり強調してしまいすみませんでした。しかし、だからこそ、たどり着いて湯に出会った時の感動が大きくなるし、乱開発されずに手つかずの自然が残り、秘境の雰囲気が保たれているのでしょう。私はある種、霊的な雰囲気さえ感じ取ってしまった泥湯温泉ですが、がちゃがちゃ混んでいる都会や観光地から離れたくなったら、こういう人里離れたところでぼーっとしたくなりますよね。
コメント