試練と憧れの剱岳登山最終日は、お目当ての秘湯に立ち寄りたいと思っていました!
日本一高所の秘湯 みくりが池温泉
翌日も晴れ。体調もOK。
剱沢小屋で相部屋だったおじさんに「これから立山をいっしょに縦走しないか」と誘われましたが、きょうのメインは温泉と心に決めてしまっていたために丁重にお断りし、宿を後にしました。振り返ると剱沢のテント場と剱岳が美しい。
別山乗越まで戻ってくると、左手に立山連峰が見えています。一昨日はガスっていて何も見えなかったね。
眼下には地獄谷が噴煙を上げています。この立山の地獄谷は、恐山、白山と並び、日本三大霊場のひとつで、立山信仰の人々が古くから拝んできた地獄です。遠くに小さく登山出発地点の室堂ターミナルも見えます!
剱沢小屋を出発して2時間派半ほどでお目当てのみくりが池温泉に到着! 奥には昨日登った剱岳が顔を出しています。
ここは日本一高所の温泉といわれ、先ほど山の上から見えた地獄谷のお湯が源泉です。
中はとてもきれいで宿泊もできます。人気がありすぎて予約が取りにくいんでしょうけど。
泉質は単純酸性泉、ph.2前後、源泉100%かけ流しのホンモノ温泉。
白濁して硫化水素臭も強く、窓から雄大な山の景色が眺められて、とてもGOODな温泉です。がんばった剱岳への挑戦を振り返りながらの湯あみは格別でしたね! 左の浴槽はまだ清掃の後のお湯をためている途中でした。
みくりが池温泉の直下にある火口湖、紺碧の水をたたえた美しい湖みくりが池。湖畔の休憩広場から左に立山、右に浄土山の眺め、きれいです! みくりが池は八幡平のドラゴンアイにも似ていますね。
おまけその1 黒部ダム見学
無事、室堂ターミナルへ帰ってきました。一昨日ここに来た日はガスって景色がさっぱり見えませんでしたが、きょうはバッチリ見えています!
電話で仙台の妻に無事下山した旨を伝え、時間に余裕があったので黒部ダムを見てから帰ることにしました。
室堂から黒部ダムまでトロリーバス、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いで1時間弱。黒部ダムに到着すると、うしろに立山連峰がきれいに見えていました!
初めて見学する黒部ダム。展望台には200段の階段を登らねばなりませんが、頑張って登りました。登山道具を全部背負っているからきついよ~。展望台からは放水している様子が見えて、とても迫力あります!
そういえば黒部ダムに落ちた隕石からキングギドラが出現したなぁ、とか、織田裕二がテロリスト佐藤浩市と闘っていたなぁとかそんなことも考えながら楽しめました。映画の話です。
黒部ダムのレストハウスではダムカレーが食べられます。
ごはんがアーチ型をしていてカレーを堰き止めています。マツコの知らない世界で、放水!ってごはんに刺したウィンナーの栓を抜くとカレーが下流に流れてくる遊びをやっていましたが、黒部ダムカレーはそういう遊び方ができる仕様にはなっていませんのであしからず。
おまけその2 金太郎温泉
仙台への帰りに、富山県魚津市にある金太郎温泉日帰り入浴施設カルナの館に立ち寄りました。
この温泉、とても個性的かつ優秀な温泉で、温泉ファンなら一度は訪問してみることをオススメします。
泉質は食塩泉と硫黄泉の混合泉、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉(硫化水素型)です。かなり広い大浴場や露天岩風呂ですが、とても湧出量が多いため、白濁した濃い源泉が十分に満たされています。この規模の施設で白濁した硫黄泉100%かけ流しってなかなかないですよ。そしてユニークな金太郎温泉秘伝入浴法なるものも指南されますから試しにどうぞ(笑)
今度はゆっくり泊りで行ってみたいです。
さいごに
ついに剱岳、登頂果たしました!
私は無事に仙台へ到着し、旅の成功をかみしめました。非日常だった剱岳の旅は、時空を飛び越えた別世界だったような気さえします。きっと、大自然の危険な岩場で恐怖を感じるからこそ、切り抜けてきた冒険の満足感、本能が満たされた充実感が大きいのでしょう。危険と魅力は表裏一体なのだと感じました。そして、剱岳は私の山登り趣味の大きな目標、夢だったので、うれしい反面「人生の楽しみで剱も槍も終わってしまった」という想定していなかった寂しい感情も湧いてきて、こんな気持ちになるんだと正直びっくりしています。
劔岳のお土産は剣山荘で買ったザ・ノースフェイスコラボのTシャツ! 北斎の浪裏に酷似ですが、山は剱岳で波は日本海(^^; 山小屋限定のTシャツ集めも趣味になってしまいました。
人生に豊かな興奮と癒しを与えてくれた剱岳、そしてこの旅を成功させてくれたすべてのことに感謝したいと思います。ありがとうございました!
おわり
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