幕川温泉は、吾妻小富士の東側、奥土湯温泉郷の中では最も奥地の、ブナの原生林に囲まれた人里離れた仙境にあります。
東北自動車道・福島西インターチェンジから国道115号線経由で約1時間弱、途中のアプローチは険しい崖沿いのせまい道を数キロ運転する必要がありますが、都会に疲れた現代人には訪れる価値のある、とても癒される秘湯のひとつです。
ブナの原生林の仙境 幕川温泉
幕川温泉には水戸屋旅館、吉倉屋旅館の二軒が仲良く並んで立っています。同じ源泉を引いているとのことですが、今回は宿泊した水戸屋旅館をご紹介します。
とても雪深いため11月中旬~5月下旬は冬季休業となっており、新緑の初夏から秋にかけてがこの温泉のベストシーズン。私は2018年7月中旬に宿泊しました。緑が鮮やかに輝いていてまぶしい・・・
駐車場の近くにある渓流から引水した自然な感じの池には、イワナやコイが気持ちよさそうに泳いでいます。釣り好きの私は魚を見るとテンション上がります!
建物に入ると、時代を感じさせる、私好みの静かな空間です。案内してくれた方は素朴で対応もとても親切でした。
さっそく幕川温泉水戸屋旅館メインの展望混浴露天風呂に!
どうですか、このロケーション‼
はぁ~ん ぜいたくだ~
半透明の硫黄泉が、大木をくり抜いたひょうたんの形の珍しい湯船に注がれています。基本は混浴ですが、女性専用タイムもあります。周囲は鮮やかな緑の樹海に囲まれ、セミの声、湯が注がれる音、そよ風が木の葉をゆする音がマッチして、夏の湯あみの雰囲気を盛り上げます。仙台は30℃超えの真夏日だったはずですが、ここは高原の涼しい風がちょうどいい~
水戸屋旅館の敷地内の裏庭を少し歩いたところの沢沿いに、離れの渓流混浴野天風呂があります。隣接の簡易脱衣所が小さくて男女共同なので、女性の入浴はハードルが高いかもしれません。
こちらは完全に白濁した良質の硫黄泉です。大自然なのでこの時期はアブの攻撃がありますけど、いいお湯なのでぜひ入浴してみましょう。私は備え付けの虫取り網で格闘し、2匹撃退しました。
水戸屋旅館の内湯は大小二か所あり、男女交代制です。大きい方の内湯は広々としていて、ふたつの湯船と露天風呂があります。
内湯の単純泉もなんと気持ち良いことか! 湯花が舞っていますが、青みがかったお湯は澄んでいます。かけ流されている源泉の量も多いので木の縁に寝転がって寝湯もできてしまいます~
たまたま貸し切りで、気持ちよくて長湯してしまいました。
内湯には露天風呂もありますが、先に堪能したメインの展望混浴露天や渓流混浴野天のインパクトが強いだけに、あまり感動しなくなります(笑)もちろん素晴らしい景色と温泉なんですけどね。
夕食は素朴ですがおいしい料理が並びます。湯上りに、コイの刺身を酢味噌で味わい、大人の炭酸をごくごく流しこむ。うまいに決まっているっ‼
敷地の池に放流されていたコイくんとイワナくんなのかな?
寝る前にもう一度ひょうたん風呂に行きましたが、ランプの灯りに超巨大な蛾やらカミキリやらクワガタやら得体のしれない虫が大量に集まって来ていて、さすがの秘湯マニアの私も身の危険を感じ、一瞬だけ湯につかって、安全な(?)内湯に移動してゆっくりしました。
温泉につかりながらクワガタ採りができるなんてワイルドすぎる~(^^;
磐梯吾妻スカイライン 吾妻小富士
仙台への帰りに磐梯吾妻スカイラインを通って、浄土平ビジターセンターに立ち寄ってみました。きれいなレストハウスや散策コース等があり、お土産が買えます。
山好きの私は吾妻小富士に登ってみました。ここに登ったのは小学生のとき以来です。山頂では外縁部を歩いて直径500mの大きな火口を観察することができます。
火口と反対側の浄土平ビジターセンターの眺望です。
ただし最近は火山活動が活発になっていて、噴火警戒レベルが引き上げられたり、磐梯吾妻スカイラインが通行止めになったりしていますので、事前にホームページで確認するなどの注意が必要です。
幕川温泉、いいところですよね。また近いうちにいきたいです!
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